歩いてるときだって、頭の中は
お祭りのこと一色。



髪飾りはなくたってお洒落はできる。



チャランチャランと可愛い音が
店へと広がる。



んーっ!珈琲のいい匂い!
っていっても珈琲はまだ飲めない。



先に席をとっていたかえこを見つけ
手を振った。



「やぁやぁ。
どうしたんだい?話でも聞いてあげましょうか?」


座らない椅子に鞄を置きながらわたしは言う。


「あーいや。相談じゃなくって
暇だったから」



「あ、そう?」


うんと頷くだけのかえこを見て
少し呆れた。



これから告白するってんのに
なんだその澄まし顔は!!


わたしはもう口調は普通でも
身体はガッチガチ状態。



「かえこはさ〜、緊張しないわけ?」


「え?」


ふいにこぼれてしまった口をおさえる。

裏表が少ないわたしは、直球で言う癖がある。嫌な癖。



「い、や。別に嫌味じゃないから…
気にしないで。」


へへへと誤魔化しつつかえこから
目をそらす。