「ここの花火大会ってね、
ジンクスがあるの。
ハートの花火があがるとき女の子から男の子に告白するとうまくいくって」
まるで王子様に恋をしたお姫様のようにかえこはスマホにうつった花火を見ながら話す。
「ジンクスってほんとにうまくいくんかね。やったことないから分かんないけど。」
夢を少し壊したわたしをみて
かえこはほっぺを膨らませた。
そんなかえこに話題を変えようと
頭の中で話題を決める。
「かえこはさ、りと先輩のこと
好きになったのって一目惚れ?」
なに聞いてんだー!
話題がないからって…
わたしバカ!自分しね!
失礼だったらどうすんのさああ!
少し考えた後、かえこは口を開いた。
「実は、結構前から好きだったんだよね。」
………怒られると思って
耳を塞いだわたしがバカで、
かえこはいつもの調子で言ってきた。
結構前から好きってことは、
結構前から出会ってたってわけか。
「え?!なにそれ!詳しく!」
「ただ、普通に落としたハンカチを
とって渡してくれただけ。
それで、好きになるって単純バカだよね…」
「単純バカじゃないよ!!!!
わたし、好き!そーゆーの!!!!」
「本当ぉ!?」