振り向きの運命は赤い糸で




わたしはとっさに手をどかし
先輩に引く。


だって、だって私はイケメンの
太もも触ったんだよ。この手で…!


誰もが触れないあの太もも!


まあ、たしかに彼女さん?とか?
は、触るだろうけど、さ?


先ほど出会ったばかりの
このわたしが触ることができるなんて
こりゃ夢かしら。



「あのさ、お前が引くと
俺がなんか、したみたいじゃん。
どうすんの、これ。」


どうすんのといって目で訴えた先には
廊下で話をしていた女の子たちや
男どもがこちらをガン見していた。


どうすんのと言われてもですね…。


「ええっと…」


「ん?」