「あ!やります!
300円ですか?!」


「ん、見えねぇか。」


ん、といいおじさんが見せたのは
嬉しいような嬉しくない紙にでっかく
書かれた文字。



【カップル限定100円!!】



カップル…か。


カップルじゃないんだけど。


いいよね。これくらい。


違う方向を見るりと先輩を
チラッと見てから、わたしは
申し訳ないように100円玉を出した。



「じゃあ、頑張れよ。お嬢ちゃん!」


「はい!」