ドキ ドキ ドキ




心臓が大きな音をたてている。




「はぁ…」




私は校舎を出て座り込んだ。




その時、




ころころ…とサッカーボールがやってきた。





「え?」




「ごめん!」




爽やかに走ってきたのは、




「橘、先輩…」




そう、私の大好きな橘先輩。




さっきとは違う胸の高鳴りがする。





「俺の名前知ってたの?嬉しいな〜」




くしゃっと笑うと、とても可愛かった。




「は、はい!これどうぞっ」




サッカーボールをを渡す。




「ありがとね!名前とクラスは?」




「えと、坂本 雛です。1年A組です。」




「おっけ!雛ちゃん、ありがとね!!じゃあ!」




手を振りながら走って行ってしまった。