春休みのデート。 中学生はバイトもできないから、貯めたお金で少し遠出をした。 夜に、 『会うのはこれが最後になるかもしれない。』 小さな声で彼が言ったのを、私は聞こえないフリをした。 この時だけは、何も考えずに、ただ、あなたを見ていたかった。 帰り際に、その逞しい腕できつく抱き締めてくれたことは一生忘れない。 *