灰色の瞳


「さあっ!着いたわよ!」


花さんに連れられてきたアパートは、本当に学校から近く、歩いても行けるくらいのところにあった。




赤いレンガ調のオシャレな見た目のアパート。


昨日までのハワイアン調の一軒家も好きだけど、これも悪くない。


3階建てで、私の部屋は2階になるそうだ。



2階の左端から2番目。
202号室。


花さんは私に部屋の鍵を渡すと、大家さん側にも色々と手続きがあるらしく、申し訳ないけど荷物は自分で、ね。と言って帰ってしまった。



残されたのは私と、大きなボストンバッグと。


ダンボールが5個。



「よし‥‥やるか」