ピンポーン


「はーい」


玄関のドアを開けると、そこにはよく知る顔が。

「セラちゃん!久しぶりねえ!元気!?」


黒髪の、背中まであるストレートヘア。

数年前までシニアでバレエをやっていたというその人は相変わらず美人でスタイルがいい。


私も彼女につられて笑顔になる。


「花さん!お久しぶりです!もちろん元気ですよ〜!アパートって、花さんのところだったんですか?」


「そ〜なのよ〜!ちょうど1部屋空いててねえ、セラちゃん来てくれるなら嬉しいわ〜!」


花さんはにっこり笑ってそう言うと、じゃ、始めましょうか、って私の頭をぽんっと触った。


もう必要なものはまとめていたから、ゴミ捨てるのと運ぶくらいなんだけど、それでも1人より2人のほうが楽しいし、終わるのも早い。


私は花さんと汗だくになって荷物を運んだ。

荷物を運ぶと、花さんと私は私の家の鍵を持って不動産会社へ向かい、鍵を渡して私が初めての1人暮らしをするアパートへと向かった。