教室の中は埃だらけで古ぼけていた。

物は比較的少なく、広々としている。

鬼島先生は率先して教室の中に入り、窓を開けた。

「ふぅー……なんか埃っぽいですね」

ケホッと咳をしながら腕で口をおさえる鬼島先生。

「うわー!埃埃してる!」

皐月がバタバタと動き、そこに埃が舞う。

「うおッ!埃が舞ってんじゃねぇか!」

玲二が顔にかかる埃を払いながら暴れて、もっと埃が舞った。

その埃で悠希が目を覚ました。

「けほっけほっ……埃……?ボク、アレルギーある……」

そういう悠希を理央が引っ張った。教室の外に出したのだ。

「アレルギーはあぶない!俺が一生守るよ!」

「?……ありがとう……?でも、一生はちょっと……」

その瞬間、ガーンという音が理央から聞こえた気がした。

今のセリフはけっこう堪えただろう。