一年二組の教室には楽と皐月がいた。

記憶を操作して二人の席は隣にした。

「授業って退屈だよね~。皐月は授業嫌い」

ブスッとふてくされて皐月は、机に突っ伏している。

「そうかな?僕は嫌いじゃないけど……」

教科書をぺらぺらとめくり皐月に返事をする楽はとても楽しそうだ。

7人は、今回の授業が初めてではない。ちょうど10年ほど前にも一時期通っていたのだ。

10年といっても小学校に通っていたわけではない。悪魔の寿命は人間よりもはるかに長い。だから、100年以上たっても高校生から変わらない。

ガラガラガラッ

教室の前の扉が開き、教室の中が一斉に静かになった。

教室に入ってきたのは、担任の教師で、少し老け顔の男だ。

「来てそうそう悪いが赤間兄弟!ちょっと来て」

「「?」」

二人は訳が分からず戸惑いながら教師の元に行った。

「何ですか?」

「急で悪いんだが……二人は部活に入ってないな?」

楽と皐月は部活という単語を聞いて少し渋い顔をした。

楽と皐月はめんどくさくて前に学校に通った時も部活に入らなかったのだ。二人に限らず他の5人も当然入ってなかった。何かとめんどうだからだ。