大罪人の反逆

「すみません。勝手な行動をうちの部下が……あぁ」

途中まで言って何かにきずいて言葉をやめた。

そして、ミカエルはその場からいなくなった。

「え?どこに……きゃあ!」

ミカエルはユウキの前にいたのだ。

「そのケガ……本当にすみません。」

ユウキのケガの上に手を添える。

ケガは一瞬でなくなった。

「え?な、何で?」

ユウキは目を丸くした。

敵のはずのミカエルがケガを治したことにも驚いたが、それ以上に『この』ケガを一瞬で治してしまったことに驚いたのだ。

『この』と言うのには、理由があった。

理由というのは、ケガの原因だ。ケガの原因、天使の羽には特別な魔力が込められていたのだ。

その魔力は天使特有のもので、悪魔であるユウキには魔力を解読することができなかった。

それなのに、ミカエルは一瞬で解いてしまった。

只単に大天使であるミカエルには、部下の魔力などたやすく解けるものなのかも知れないが。