占い師の恋


結局、店が終わるのを待ってちゃっかり送ってもらっちゃってる私。

「で、あの話し考えてくれた?」
「あー、うん。」

ちょっぴり曖昧に返事をした。

「あんま乗り気じゃないんだろ?」
「でも、創ちゃんのお得意さんの頼みだもん…。」

創ちゃんのため、って思うとやらなきゃいけないんだけど…
そうも安請け合いできない内容っていうか…。
自然と足取りが重くなり、それに合わせて創ちゃんもゆっくり歩いてくれる。

「無理に、とは言わねぇ。結以の好きなようにしていいから。」

そう言いながらなんとも言えない表情をする。
そんな顔されたら・・・
好きな人にそんな顔されたら、断れないじゃん。

「やるよ、私。新境地開拓ってことで!」

私が笑顔を見せると、そっか、と言って創ちゃんも笑顔を見せてくれた。
私の好きな笑顔。