「よくからかわれたり、意地悪をされたり、そんなことをされたら誰でも好きになんてなりませんよね。でも、昔から言うじゃないですか、男の子は好きな子ほどいじめたくなるって。彼はそんなタイプなのかもしれませんね。」
そこまで一息に言い切り、彼女の反応を伺う。
すると、彼女はふぅ、と溜め息をついてにっこりと笑顔を見せてくれた。
「占い師さんには、何でもわかるんですね。気が楽になりました。」
その笑顔、その言葉が私には占いを続ける力になる。
「なんでも、というわけではありません。ですが、私に助けを求めてくれている皆さんの力になりたいんです。あなたのように、最後、笑顔で帰って頂きたいので。」
彼女は「ありがとうございます」ともう一度笑顔を見せてくれた。
彼女が帰るのを店の外まで見送ると後ろからトンと肩を叩かれた。
「あのお客さんが最後だろ?」
