≪プロローグ≫

女の子なら誰しも一度は興味を持ったことのある占い。
私も例外ではなく、小学生の時、付録のタロット占いを使ってよく占いをしていた。
最初こそ外れてばかりだったものの、回数を重ねるごとによく当たるようになり…
高校に上がる頃には、「よく当たる占い師」として学校中に噂が広まった。
毎日休み時間には占ってほしいという女子生徒が教室に押し掛けた。
彼女たちの目的は、やっぱり恋愛。
どんなに悪い結果が出ても、私は正直に伝える。
もちろん、ショックを受けて泣き出す子もいる。
でも、私は悲しませたくて占いをしているわけじゃない。
だから、必ず良い事を伝えて笑顔で帰ってもらえるように心掛けていた。
大学を卒業して特にやりたいこともなかった私は、本格的に占いを仕事として始めた。
「ありがとう」と言って見せてくれた笑顔が忘れられなかったから。

今日も幼馴染のバーで絶賛占い中-