キミの首輪に、赤い糸を。

廊下を全速力で走り、階段を駆け降り、やっと玄関を出た。

正門前には相変わらずの人だかり。


「ねぇ、あの人、テレビで見たことあるんだけど!」

「なんだよ、あの可愛い子!俺声かけてこよっかなー」

「誰だっけ...最近見ないけど、歌番組?とかで!」


色んな人の声が混ざってごちゃごちゃ。
先生もその騒ぎに出て来始めた。

誰?
そんなに騒ぎになるなんて...。

テレビで見たことある?
やっぱ芸能人?

...ちょっと待って。
真白って確か、前テレビにも出てたんだよね...?

テレビ、可愛い、歌番組...。


「ちょっとすみません!」


人混みを掻き分けて、私は入っていく。

そして見つけたのは、周りの騒ぎに完全に怯えている、真白だった。