真白は優しいから、きっと裕太くんのことも考えてる。

自分が仲良くなって、姿を消して、そしたら裕太くんが悲しむって。


「裕太くんにとっても、真白との出会いは必要だったんだよ。だから、真白が会いたいと思ってるなら、会うべきなんじゃないかな」


私がそう言うと、真白は私を見つめ、口を開いた。


「...ありがと。...僕、多分一歩が踏み出せなかった。でも、和咲のお陰で決めた。僕、ここから離れる前に、裕太くんに会う」


真白の目は真っ直ぐで、私は安心する。
もし真白を傷つけていたらって考えていたから。

だけど、どうやら私の言葉は真白を前に向かせてあげることが出来たみたい。

お別れの時、真白がどんな気持ちになってしまうのかは、分かっている。
きっと、すごく寂しい。
だけど、その時はちゃんと、言ってあげたい。

裕太くんとの出会いは、無駄なんかじゃない。
誰かとの出会いは、必ずこれからの将来に、きっと光を照してくれるって。