キミの首輪に、赤い糸を。

「僕、和咲との思い出、出来るだけたくさん残したい。短い時間でも、和咲は僕のご主人様だから!」


真っ直ぐな瞳に、目を奪われる。

こんなにも慕ってくれるのは、なんで?
仮にもご主人様っていう肩書きがあるから?


「って...なんか重い?」


真白は少し困ったように私を見て、「ごめんね?」と首を傾げる。


「ううん。ありがとう」


分からない。
自分が真白を重いと思っているのかも、どう返せばよかったのかも。

ただ、思ったのは、真白に感じた異常さ。
真白は純粋で、優しくて、名前の通り、真っ白。
だけど、どこかに何かから受けた黒を持っている。

真白は私が思っているより、ずっと何かを知っている。
きっと、無くしている記憶がほぼその黒を受け持っていたんだと思う。

そう思うと、真白の無くした記憶に興味が出てくると共に少し怖さも感じた。


「...和咲?」


真白が不思議そうに私の顔を覗き込む。


「えっ、あ、ごめん、なに?」

「いや、なんか怖い顔してたから...大丈夫?」


...そんなこと、考える必要ないか。
今、記憶が無い真白にとって私が感じた黒に答えは出ないし、それに私と真白は他人であって、一週間の付き合いだし。


「なんでもないよ。ごめん、もうすぐでこの辺りでは少し大きい公園に着くよ」


私がそう言うと、「やったぁ!」と真白は無邪気な顔で笑った。