キミの首輪に、赤い糸を。

「じゃあ、行こっか」

「うん!」


寝癖も直し終わり、私達は家を出た。
そういえば真白がここに来てから外に出るのって初めてだな。

意識が朦朧としてた真白からすれば、この辺りの外の世界は知らない地な訳だし。


「この辺りって綺麗だよねー。閑静な住宅地って感じ?」

「真白が閑静って言葉使うの意外だね」

「あー...ごめん、意味分かんないまま使ってる」


そう言って恥ずかしそうに笑う真白。
まぁ、そんなことだろうとは思ってたけど。


「僕、学校通ってた記憶も飛んでるからなー」


そっか、真白は一部の記憶が無いんだっけ。


「でもね、僕、記憶が無いのをあんまり嫌だとは思わないよ」


真白はそう言って私の方を見る。


「え、なんで?」


その疑問は、当然だと思う。


「だってね」


真白は一瞬私から目を逸らし、微笑んでまた私を見た。


「和咲との思い出、今までの記憶を無くした分だけたくさん残せるじゃん?」


たった一週間なのに、真白はどうして私との思い出を大切にしようとしてくれてるんだろう。

嬉しいような、なんとなく切ないような、複雑な気分になった。