キミの首輪に、赤い糸を。

「...えっと、なんでこんなところに和咲さんが?」

「私は友達の付き添いで」


唯とお姉さんに言ってホストクラブに行くことを中止してもらい、私は如月さんとネオン街を歩いていた。

隣を歩く如月さんは、如月さんでないような気がした。

ミルクティー色の髪はそのままだが、格好はブランド物のスーツだし、色々な香水の香りが混じっているような匂いがする。

だけど、口調は優しい如月さんだった。


「...如月さんこそ、どうしてこんなところに?」


私がそう聞くと、如月さんは一つ呼吸をおいて、「真白が活動を休止している間の仕事なんですよ」と当たり前のように答えた。


「そう、なんですか」


私も、驚くような態度はとらないようにした。


「...真白には、言わない方がいいですかね?」

「...いえ、真白はきっと知ってると思います」


驚くべきこと。

そのはずなのに、私達はなぜかとても冷静だった。
それが、このネオン街のせいであるような気さえしてきた。

この場所は、私のようにこの場所を知らない人を嫌に冷静にさせるらしい。

なぜか、とても冷めきったような考えでいられてしまった。