「…うぅっ…良かったぁ…ビックリさせないでよっ…!」
「ごめんごめん」
私の中の恐怖は、もうどこかへ飛んでったみたいで。
頭を撫でられる度に、涙も止まっていく。
「お前、ビビリすぎ」
「だ、だって…っ…!?」
思わず大きな声を出してしまうと、伊吹くんに口を塞がれた。
手でだよ、手で。
「…ごめん」
それよりも…
「顔、すごいね」
伊吹くんの顔は、クマがひどくて色白なメイクが施してある。
「だろ?委員長がやってくれた」
へえ、すごいね委員長さん!
…あれ?委員長ってまさか…
「女の子?」
「そうだけど」
