「えっと……あなたは?」


そうだ。


すっかり忘れていた。


高瀬くんの隣にいた綺麗なお姉さんのことを。


「高瀬くんを好きな女の子の親友です」


そう言うと、不思議なことにその人はパアッと顔を輝かせた。


「伊吹のことが好きな子がおるとっ?」


あれ?


この人、私はてっきり“高瀬くんの彼女”だと思っていた。


でも、もうひとつあるじゃない。


それは…


「ウチ、伊吹の姉です!」


この瞬間、全身を冷や汗がサーッと伝うのが分かった。


「ごめんなさい」


腰を90度に曲げて謝る。


私はなんていう勘違いを…!