デコくんとボコちゃん


「それじゃあ、また明日ね!」


「おう、またな」


私の家の前で、お互いに手を振って別れる。


あーあ、楽しかったなあ。


「ただいま〜」


「あらぁ、おかえり〜。千和ちゃんと一緒じゃなかったの?」


玄関まで出迎えてくれたお母さん。


そういえば…


「ああ!!千和のこと忘れてた!」


急いで巾着からケータイを取り出す。


不在着信は30分前に、1件だけ。


そっか。


千和は何もかも分かってるんだ。


だから連絡しないでくれたんだね。


大好き!千和!


私は改めて、千和に電話をする。


『もしもーし』


「千和〜〜!!ごめんね!?ほんとにごめん!それからありがとう!愛してる!!」


千和が電話に出るとすぐに、私は気持ちを伝える。


『はいはい。で、どうだったの?…って聞くまでもないね。おめでとう、琴李』


「えへへっ、ありがとう、千和!」


きっと、千和が伊吹くんに教えてくれたんだよね。


本当に、いい親友を持ったな…私。


それから真夜中まで、私たちのガールズトークは続いた。


今日は特別な日。


──とってもとっても幸せな日。