「あ!ほら、りんご飴あるよ!」
もう店を閉めようとしているおじさんに、ちょっと待ったと声をかける。
「なんだい、お嬢ちゃん。さっきも来なかったか?」
「えっ?…そういえば来たかも」
そこは千和と一緒にいちご飴を買ったお店だった。
「食いしん坊だねぇ。おっと、今度は彼氏くんとかい?
いいねえ、若いってのは!」
なりたての彼氏です、なんて♪
「おじさん、りんご飴ひとつ」
「はいよ、やっぱここは男が奢らねえとな!
お嬢ちゃん可愛いから、安くしといてやるよ」
「お、どもっす!」
こういう、さらっと奢ってくれるとこ…カッコイイな。
「はい、りんご飴」
「ありがとうっ」
はじめて買ってくれた、りんご飴は
「んん〜、おいしい!」
甘い甘い、味でした。
