「え…えっと…た、高瀬くんのことが、好…「好きだ」
意を決し、自分の気持ちを伝えようとしたのに。
それは思わぬ言葉に遮られ、同時に抱きしめられていた。
「…ぇ…?」
「月島……いや、琴李が好きだ。
笑顔も、泣いた顔も、その驚いた顔も全部。
真っ直ぐにぶつかってくるとこも、大好きだ。
気づいたらお前は、俺の中で結構でかい存在になってたんだよ」
抱きしめられたまま、耳元で話す彼。
それは花火の音なんかより、ずっとずっと響いた。
「俺の彼女になってください」
高瀬くんは、私を一度離して、しっかり目を見てそう告げた。
そんなの、決まってる。
「私もっ…私も大好きだよ…!
私で良ければ…よろしくお願いします」
今日は、今までの人生でいちばん幸せな日。
好きな人が自分を好きだなんて。
「ありがとう」
再び、その大きな体にきつく抱きしめられる。
私もそっと、背中に腕を回す。
あったかい。
あったかいよ…。
私たちが結ばれたこの瞬間、最後の花火が夜空に咲いた──