「ありがとう」


高瀬くんは見たことないくらい、とびっきりの笑顔を私に向けた。


良かった。


あの人…お姉さんだったんだ。


綺麗な人だなぁ。


「ごめん、泣かせて…」


そう言って涙を拭いてくれる高瀬くん。


私の好きな人が、今向き合ってくれてる。


それだけで嬉しいよ。


あなたの隣にいるだけで、ほら…笑顔になっちゃうから。


「なあ、聞いていい?」


「ん?なに?」


すると高瀬くんの瞳が、怪しく光った。


「なんで泣いてたの?」


「えっ?」


それはもう、答えを知っているような…悪魔みたいな顔。


「…っ…そ、れは…」


「言えよ」


うう…いじわる。