「ただいまー…ってあれ?お母さん?」
玄関を開けると、いつもいるはずのお母さんが出迎えて来なかった。
「出かけてるのかなぁ…。
あ!ちょっと待っててください!」
私は男の人に声をかけ、お風呂場までバスタオルを取りに行った。
そして戻ってきて気づいた。
玄関の段差があるのに、彼の方が全然背が高いのだ。
…この人、身長何cmあるんだろう。
じーっと見つめていると不思議な顔をされたので、はっとしてバスタオルを渡した。
「体拭いたら上がってください!えっと…」
「…高瀬伊吹(タカセ イブキ)。それと同い年だから敬語はなしで」
「えっ!?同い年なの?」
段差を上がると更に遠くなる顔。
どっからどう見ても先輩にしか見えない…
