──ワイワイガヤガヤ…


夏休み、最後の日。


家の近くの、珍しく賑やかな神社にて。


本日、年に一度の夏祭りです。


買ったばかりの白と赤の浴衣を着て、ちょっとだけ背伸びした気分。


前よりも少し伸びた髪の毛は、てっぺんでお団子に。


誰と待ち合わせかって?


それは…


「琴李〜〜」


遠くから私を呼ぶ声が聞こえる。


人混みに目を凝らして探すと、すぐに見つけられた。


「やっほー、千和!」


そう…デートの相手は、紺色の大人な浴衣が似合う千和さん。


期待してくれた?


私も、高瀬くんと…って期待してたんだけどね。


先客がいたみたいで…。


もし女の子だったらどうしよう。


そんな悩みが、頭の中でグルグル。


でもきっと、男友達と回るんだよね!


って自分に言い聞かせる。