高瀬くんのような高身長でもない。


春樹くんのような可愛さを持っているわけでもない。


だけど、よく分からないけど


「どうしました?」


「…っいえ、何も」


…ドキドキする。


水着を褒めてくれた時も、すごく恥ずかしかった。


顔が熱くなって、溶けてしまうかと思った。


今だってそう、隣にいるだけで…どうしたらいいか分からなくなる。


そうだ。


あの歌を聞いたときからだ…。


車の中でのカラオケ大会。


俊さんが歌ったあれは、私がいつも聞いている曲。


心にズーンと響くの。


誰も知らないっていうけど、それでも私は好きだった。


耳に残って、離れない。


琴李も、こんな気持ちなのかな。