デコくんとボコちゃん


「いや、いいって!つーか、こちらこそごめん。気づかないでぶつかって…」


「え…?」


ああ、後ろからぶつかってきたのはこの人か。


同じ制服着てるってことはうちの高校?


「傘持ってなくて急いで走ってたから、前にいるの見えなくてさ」


ん?あー…うん。


私がちっちゃいからだね。


「いえ、気にしないでください」


ぶつかられるのはよくあることだもん。


っていうか…この人もびしょ濡れじゃん!


「あの、よかったらうち寄りませんか?すぐそこなので!」


「いいよ、走ればすぐ着くし」


「ううん、風邪引いちゃうから!」


私は半ば強引にその人を引っ張って、無事家に着いたのでした。