「はぁ〜…楽しかったね♪」
「おう、楽しかったな」
時刻は夕方。
辺りはもう、オレンジ色。
私は高瀬くんと、砂浜をお散歩していた。
うう、何話したらいいか分かんないよ…。
「また来れたらいいね」
でも、何も話さない時間も好きで。
「行こうよ、みんなで……あ、いや…」
「ん?」
「…みんな!そう、みんなでさ!」
なんだか顔が赤いのは夕日のせい…?
すると突然、高瀬くんが走り出した。
「あの夕日に向かって走れ!」
「えっ…ええ!?まってよー!」
なんか聞いたことあるよそのフレーズ!?
追いかけるも追いつけるはずがなく。
こんなとき、自然っていじわるするよね。
「……っわ…!!」
砂浜に足をとられ、私の体が傾いていく。
倒れる…!
