デコくんとボコちゃん


「終わったか?」


どうしようっ…緊張する!


「あっ、終わったよ…!」


高瀬くんに聞こえちゃいそうなくらい、心臓がドキドキしてる。


「お、合ってんじゃん?その調子だ」


「へへっ、まあね♪」


それでも褒められれば嬉しくて


気づけば距離はもっと縮まってて。


腕と腕がくっついても、それが自然になっていて。


高瀬くんは気にすることなく、黙って勉強につきあって…


…黙って…?


「…すぴー」


寝てんのかよ!!!


隣ですやすや寝息をたてて眠る高瀬くん。


寝るの早いな…って私が言えることじゃないいか。


「もう、しょうがないなぁ」


カリカリ……カリ…カリカリ…


……チラッ…カリカリ…カ…チラッ……


「ダメだ集中できない」


勉強しようと試みるが、それは1分ともたず。


私は高瀬くんを観察することにした。


長いまつげ、口元のホクロ、ほわほわなまゆげ。


形の整った唇、小さい鼻…


こう見れば、すごく幼い顔。


私はここぞとばかり、頭を撫でた。


「ふふ、仕返しだっ」


いつも撫でられてるからね!


それにしても可愛い。


あっ、目が茶色いんだぁ♪


………ん?待てよ?


「なーにしてんの」


「…っぎゃあああぁっぁああああ!?」


──ゴンッ


「…ったぁぁ」


いつの間にか目を開けていた高瀬くんと目が合い、ビックリしてのけぞるとタンスで後頭部強打。


「あっはっはっは!!大丈夫か?」