デコくんとボコちゃん


怖くてギュッと目をつぶったその時。


人が駆けよる音がして、体がフワリと浮いた。


ププーッとクラクションが鳴り響く。


「…へ……?」


何が起こったのか分からなくて、ゆっくり目を開けるとそこには


「…あっぶねー…」


男の人の顔があった。


え?…ちょっ…ええ!?


「きゃあああああ!?変態!!!」


思わずジタバタもがく。


どうやら私は、お姫様抱っこをされているようだ。


「は!?ちょ…暴れるな!下ろすから!」


そう言って、男の人は暴れる私をそっと地面に下ろした。