デコくんとボコちゃん


「…ふっ…あっははは!なんでアンタ寝たの!」


お弁当を食べながら、千和が爆笑する。


千和が全力で笑うのは珍しいから、きっとこれは相当面白い話なんだろう。


「私は睡魔に勝てるほど強くないので」


…まあ、私の話なんだけど。


「…好きになっちゃった?」


「はあ!?…ごほっ…んなわけないでしょ!!」


いきなり変なことを聞かれ、たまご焼きを詰まらせながら叫ぶ。


「ごめんごめん。
でも…さっきの、お似合いだったよ?
なんていうか…身長差がすごくよかった」


「もー…どうせ私はチビですよーだ!」


なんだか千和はすごく楽しそうで、こっちまで笑えてきちゃって。


「そういえば、高瀬くんってすごいね。
轢かれそうな人を助けるなんて…なかなかできないよ?」


「うん、ビックリしたよ。
死ぬかと思ったら抱えられてて!」


「琴李は軽いしねぇ…ほんと」


「なによぅ」


「身長分けてあげたい」


「できるものなら」


そんな他愛のない話をして、昼休みは終わった。