デコくんとボコちゃん


「いや、お詫びする」


「ほんとにいいよ!」


「いやいや絶対するから!」


なかなか引きそうにないので


「…じゃあ、駅前のドーナツで許す」


と言うと、ハハッと笑った。


「太るぞ?」


「い、いいもん!特別なの!」


もう…失礼なんだから!


声をあげて笑う高瀬くんは、すごく爽やかで。


「じゃ、また放課後に」


「うん、またね!」


軽く手を上げて去る彼に手を振りながら考える。


私はなんちゅう約束をしてしまったんだ。


これだと放課後デートみたいな感じになるではないか。


「琴李さん…?」


教室内にいた千和にニヤッとされて、私は…


「あはっ、あははは〜」


…苦笑いするしかなかった。