デコくんとボコちゃん


「なんて日だ…」


呟いて、長風呂もいけないだろうと早めにシャワーを切り上げ、脱衣所にそっと置かれたスウェットに着替える。


「お風呂いただきました」


カレーの匂いが漂う台所に立つお母さんにお礼を言うと、こちらを振り向いてふにゃっと笑った。


「ねぇちょっと、布団かけてくれない?」


布団?


なんのこと……


「……え」


視線の先を見てみると、そこにはソファーで寝ている月島。


「ごめんねぇ、寝ちゃったみたい」


いやいや、普通寝るか!?


「あ、いや、別にいいっすよ〜」


と、言いながら側にあったタオルケットをかける。


「……ふ…んん…」


小さな口をモゴモゴ動かす彼女は、起きている時よりもずっと幼い。