クラクションが鳴り、辺りにいた他の生徒たちも驚いて俺らを見ていた。
…が、無事だと気づくとホッと息をついてまた歩き出した。
腕の中にいる彼女は高校生だとは思えないくらい小さかった。
「…へ……?」
何が起こったのか分からないという顔をする彼女と、一瞬目が合った。
丸くてでっけぇ目……ちょっと可愛いかも。
と、思ったのも束の間。
「きゃあああああ!?変態!!!」
叫ばれ、もがかれ、危うく落としそうになった。
なんとか地面に下ろすと、彼女は自分の手を見つめて不思議そうにして、生存を確認しているようで。
子犬みたいだな、とか思いつつ濡れた髪をかきあげる。
それからペコペコ謝られ、気づけばこいつの家にいた。
それから月島のお母さんに風呂場に追いやられ、今に至る。