デコくんとボコちゃん


貰ったマフラーに顔を埋めていると


「メリークリスマス、琴李」



──チュッ…



唇に、そっと何かが触れた。


「……っ…!?」


それは、すぐに理解できて。


今、私…キスされた!?


街灯に照らされた伊吹くんの顔が、ほんのり赤い。


「その顔…やめて」


大きな手のひらで、私の頬をそっと包み込む。


「……伊吹くんの…せいでしょ」


きっと私、すっごくまっかっかだと思う。


だって…しょうがないよね?


「無理、止まんない」


「わっ…!」


キツく抱きしめられた体は、もうこれ以上冷めることはないってくらい熱くて。


「琴李…好きだ」


「私も…大好き。すっごく大好き!」


雪の降る中、私たちは片方がくしゃみをするまで抱きしめ合っていた──