…なぜ、こんなことになったんだろう。


シャワーを浴びながら思い出す。


今日、傘を持っていなかった俺は、学校から家まで雨の中走っていた。


かなり降ってたし、視界も悪かったしで…前にいる人に気づかなかった。


「…っうわぁ!?」


「……っ…!?」


何か小さいものにぶつかり、それは短い叫び声を上げてその場に倒れた。


いやマジで、俺は本気で焦った。


道路の真ん中にうずくまる女の子と、そこに向かって走る1台の車。


「ちょ…マジかよ!」


俺は無我夢中で走って、その子を抱えた。