翌日、いつものように琴李を迎えに行く。


「…っあ!伊吹くん!」


俺を見つけた瞬間、寒いのにぱあっと明るくなる笑顔。


…あー、癒やされる。


「おはよう」


「おはよう!…それで、どうだった?」


よほど気にしてくれていたのか、二言目にはそれだった。


「ちゃんと話せたよ。仲直りもできた。
…琴李のおかげだよ、ありがとう」


琴李があの言葉をくれたから。


「私はなにもしてないよ!伊吹くんが頑張っただけっ」


「それでも、俺はお前がいなかったら父さんには会えてないと思う」


だから。


この笑顔を、ずっと守っていこう。


奪わないように、奪われないように。


「えっへん、琴李様に感謝なさい♪」


愛おしい彼女を、幸せにしよう。


これからは、前を向いて、歩いて行こう──