そして、次の日曜日。
「しっかり話してくるんだよ!」
俺はおばさん伝いに、父さんと会う約束をした。
電話で琴李に勇気をもらい、待ち合わせ場所のカフェへ向かう。
──カランコロン…
入り口のドアを開けると、心地良いベルの音が鳴る。
店内を見渡すも、人が多くて見つけられない。
「いらっしゃいませ。待ち合わせですか?」
「あっ、はい」
「その方でしたら、奥の方にいらっしゃいますよ」
親切な店員さんに案内され、俺は一歩ずつ父さんに近づいていく。
心臓がバクバクいってるのが自分でも分かる。
すると…
店のいちばん奥の席に、その懐かしい背中はあった。
店員さんにお礼を言い、深呼吸をしてそこに向かう。