「もー…お母さんってば、ここまでされたら迷惑だよ」
「いいじゃない♪
男の子なんて久しぶりよ!」
ああ、男はお父さんしかいないからね…。
「新品のパジャマ、買っておいてよかったわ〜♪」
呑気に鼻歌なんて歌いながら、タンスから灰色のスウェットを引っ張りだすお母さん。
台所からは、カレーのいい匂いがする。
お母さんの料理は3分クッキング並に早いのである。
「琴李〜、これお風呂場まで持ってって?」
そう言って渡されたのはさっきのスウェット。
お風呂場からはまだ、シャワーの音がする。
うん?
どういうことかな?
「お母さんが持っていけば…」
「台所離れられないもの」
即答されました。
