「わあ〜なにもないね」


ソファーに座らせると、素直な感想が。


その通り、ソファーとテーブル以外何もない。


「そりゃあ、ひとりだし」


家具があっても使わないしな。


お茶を用意していると、急に琴李が立ち上がり、ちょこちょことある場所に移動した。


それは…


「この人…お母さん?」


母さんの仏壇の前。


「そうだよ」


「そっかぁ…いつもお世話になってます」


そう言って、ペコリと頭を下げる琴李。


そして仏壇に向かって手を合わせた。


俺もお茶を置いて、琴李の隣に立った。