キス、された…。


ほっぺにだけど、初めてのキス。


きっとみんなには、唇にキスしたように見えているだろう。


そんな声がチラホラ聞こえるから。


触られたところが熱い…。


伊吹くんが、あんなかっちょいいセリフ言えるなんて思ってなかった。


「バカ、そんな顔すんなっての」


そういう伊吹くんも、かなり照れてるよね?


でもきっと、ていうか確実に


私の顔はリンゴよりもまっかっかだ。


『えー…ね、いいものを見せてもらいましたね。はい拍手!』


私たちは司会者に、半ば強引に退場させられた。


その場は一旦落ち着きを取り戻したが、私たちの心は全く静かじゃなかった。


「良かったね」


千和のもとに戻ると、いろんな感情が詰まった一言で歓迎された。


初めてチュウは、とてもとても恥ずかしいものでした。