「っと…よう、琴李」
勢い良くその手を取るけど、ちゃんと受け止めてくれる。
『おやおや〜、これは既にカップルが成立しているようですねぇ?』
司会者が、そんな冷やかしを入れる。
「えっと、1年2組高瀬伊吹です。こいつ…月島琴李は俺のもんなんで」
後ろからぎゅっと抱きしめられ、頭の上に顎をのせて話す伊吹くん。
「ちょっと、重いよ!」
「うるせーっての」
「…むぐっ」
文句を言うと頬をつままれ、私は黙るしかない。
そんなやり取りをしていると
『キャー!!何よあのカップル!可愛すぎる!』
『背高っ!男の子1年生に見えない!』
『あのちっちゃい子可愛い!』
叫び声に等しい歓声が響き、私たちは顔を見合わせて笑い合う。
