「あーあ…」


私は、窓の外を見つめて呟いた。


「どうしたの?…って、あちゃー。
結構降ってるね、雨」


そう声をかけるのは、私の親友である佐々木千和(ササキ チワ)。


綺麗な黒髪は、バッサリ肩の長さで切り揃えられてて。


膝上のスカートから伸びた足は、スラリと細長くって。


スタイル抜群で美人さんな、私の自慢の親友。


「琴李、傘持ってきたの?」


「もってきてないよぅ…。
しょーがない、ダッシュで帰るよ!」


カバンを抱えて立った私の頭は、千和のよりもずっと低い位置にあった。


「そっかそっか。気をつけてね?」


「縮むからやめて」


わざとらしく頭を撫でる千和をキッと睨んで、今度は笑顔で手を振る。


「バイバイ!また明日ね!」