幽霊電車



あたしみたいな人も、ちゃんといた。



挨拶して来ようと、隣の車両に行こうとすると…






…!!


嘘…! なんで…?!



あたしの目に映った乗客は、無残な姿をしていた。


目が飛び出していて、大分汚れていて、服の一部が破れている…



…人形だった。



人形は、こちらに視線を向けようと、ガタガタと首を動かした。


あたしは瞬時に、車両の陰に隠れた。



まさか、ここって…!


幽霊電車…?!


前に、噂で聞いた事があるけど、どこかの線路上に真夜中にさ迷っている、徘徊列車だって…。


でも… 確かこの電車が見えるには、2つの条件があった筈。



1つは、霊感があるって事。


1つは、何か物を粗末に捨てた事があるって事。