幽霊電車



『んー? 電車なんて、走ってねーよ?
お前、勉強のし過ぎじゃねぇの』


「え」


電車なんて、走ってない…?



そんな筈ないよ……。


『お前さ、勉強頑張んのも良いけど、たまにはちゃんと寝ろよ?』


「え…」


『じゃーなー』


「えっ、ちょっ…」


…プツン。 ツーツー……。



あーぁ。 切られちゃった。



でも… やっぱり、勉強のし過ぎなんかじゃないよ。


確かに、聞こえるもん。



なんで、慶には聞こえないの…?


ちゃんと、電車の音、してるよ。



勉強のし過ぎは、慶の方じゃない…。



まぁ、とにかく、駅まで行ってみるか。


暗い道を、ひたすら歩いていると、駅が見えて来た。