『次は、○△駅ー、○△駅ー…』
そんなアナウンスが聞こえた気がするけど、今はそんなのどうでもいい。
ガシャ…ガシャ…
近付いて来る不気味な足音。
プスッ…プスッ…
同時に壊れたプロペラのような音。
「や、やめて……。
いやあああああああああ!!」
『ウッ…』
突然、目の前まで迫っていた2体が倒れて動かなくなった。
電車の停車する時の振動に、耐えられなかったみたいだ。
電車が少しずつ停車し、扉が開く。
信じられない人が視界に映った。
「亜依…」
「け、慶…?」
なんと、慶が立ち尽くしていたのだ。
慶は、電車に乗ろうと足を動かす。


