不思議能力連続日記(1話読みきり短編)

いやいや、揺れたように見えただけで。

そんな馬鹿なねぇ。


「だからナメクジって言うのやめて下さい。驚くのも無理はないです。こちらの世界では私はナメクジによく似ているんでしょ?」


似てるって自分で認めてるじゃん。

そしてナメクジに似てるとか言われても……
ナメクジにしか見えないし。

中腰でナメクジをまじまじと見つめながら、不思議と冷静な自分がいた。


「あなたはナメクジじゃないなら何?」


ナメクジが喋っているのは気のせいかもしれない、こんな風に私がナメクジに話しかけてるところを誰かに聞かれたら……なんて考えが浮かんで小声になる。

冷静に考えたらそんなこと気にしてる場合じゃないんだけど、そんな風に思ったって事が冷静じゃなかったって証拠かも。