全速力で逃げても逃げきれそうにない。

空中で制止するマーズの目の前に。

「ほぅ、潔いな。諦めたか」

一人の宇宙人が現れた。

薄紅色の体色、頭部には一本の触角、白黒反転した釣り上がった眼。

マーズよりも小柄で人型ではあるものの、どこか凄味を感じさせる、何とも奇怪な姿。

これがエフェス。

あのジュデッカをも配下に従え、真に全宇宙を支配している大元締めだった。

「成程…能力値1億5000万程度…ジュデッカでは勝てない訳だ。希少な神化に至った戦士が現れるとはな」

マーズの金色の姿を見ても、エフェスは然して驚く様子もない。

それどころか。

「殺して標本として取っておく価値くらいはあるかな」

そんな残忍な事を言ってのけた。